吐息
鏡に吐息吹きかけて
貴方の名前書きました
じっと見てると寂しくて
消しては書いての繰り返し
鏡に吐息吹きかけて
貴方の名前書きました
じっと見てると切なくて
ため息混じりの仮化粧
鏡を見つめ恋しくて
貴方の名前呼びました
じっと見てると逢いたくて
次が出て来ません
***
鏡に吐息吹きかけて
貴方の名前書きました
じっと見てると寂しくて
消しては書いての繰り返し
鏡に吐息吹きかけて
貴方の名前書きました
じっと見てると切なくて
ため息混じりの仮化粧
鏡を見つめ恋しくて
貴方の名前呼びました
じっと見てると逢いたくて
次が出て来ません
解いた帯紐握りしめ
あなた寝顔を見ています
どうせ添えない運命なら
いっそ殺していいですか
越中大牧湯の宿は
他人寄せつけぬ情恋の宿
おんなごころの一途さを
あなた分かってくれますか
もしもあの世で添えるなら
邪にも鬼にもなりまする
越中大牧湯の宿は
他人寄せつけぬ情恋の宿
湖畔に浮かぶ渡せ舟
あなた連れ去る別れ舟
ここで別れるくらいなら
いっそ死んでもいいですか
越中大牧湯の宿は
他人寄せつけぬ情恋の宿
悶々として眠れぬ夜もあけました
桟橋に寄せるさざ波返す波
あなた連れ去る別れ波
未練心と言われても
ひとり寂しいこんな夜は
忘れた筈のあなたの胸に
抱かれてみたくなりました
夜の釧路は白い霧
馬鹿な女と言われても
あなた恋しいこんな夜は
もう泣かないと誓ったけれど
ぽつりと頬に一滴
夜の釧路は涙雨
霧に浮かんだ幣舞の
灯り目に沁むこんな夜は
二人歩いた北大通り
想い出探し尋ねます
夜の釧路をただ独り
そろそろ帰ろうもう遅い
あなたが見送る曲がり角
帰りたくなんかないわ このわたし
だからキスして欲しかったのに
いつも言い訳するあなた
バカ バカ いくじなし
酔わせて抱くほど野暮じゃない
あの夜あなたは言ったけど
酔ってなんかいないわ このわたし
だから抱いて欲しかったのに
いつも言い訳するあなた
バカ バカ いくじなし
ひとの気持ちも知らないで
あの夜あなたは背を向けた
別れたくなんかないわ このわたし
だから今でも泣いているのに
いつも言い訳するあなた
バカ バカ いくじなし
たった一夜の恋でもいいと
見知らぬ御方と過ごすほど
すれちゃいないはこのわたし
憎いあんたを忘れるために
飲んだお酒のほろ酔いで
そんな気分になっただけ
たとえあんたが戻って来ても
すべてを水に流すほど
初心じゃないわよこのわたし
そんな強がり言ってはみても
飲んだお酒のほろ酔いに
もしやもしやの淡い夢
急に届いた悲しい知らせ
久谷盃落すほど
取り乱さないはこのわたし
風の噂に聞いてはいたが
飲んだお酒のほろ酔いで
ちょっ寂しくなっただけ
そぼ降る雨に蛇の目の傘を
そっとかざした白い指
そぞろ歩きの大谿に
祭り提灯ぼんやりと
しだれ柳の町並みに
和服姿の似合う女
小さな肩を抱き寄せながら
触れた唇震えてた
濡れた着物の襟元の
白いうなじも愛しくて
灯篭流しの薄明かり
紅紅梅の香る女
芸子じゃ駄目と笑った後で
袖に隠して拭く涙
川のせせらぎ聞きながら
二人歩いた石畳
一夜限りの夢なのね
そっと寄り添い言った女
そぼ降る雨に身を濡らし
どこに宿とる根無し草
叶わぬ恋と知りながら
未練ばかりを募らせて
紅差し指をそっと噛む
どうせ私は人知れず
川面漂う根無し草
叶わぬ夢と知りながら
一人枕の寝化粧に
淡色口紅をそっと指す
明日は何処と問われても
行方知れない根無し草
叶わぬ願いと知りながら
雛遊びの添え文に
あなたの名前 口紅で書く
汽車に揺られて女が一人
白い広野を幾時間
忘れられない面影求め
逢いに来ました北の街
釧路港で頬濡らすのは
涙じゃないの霧のせい
うしろ姿が似ているだけで
もしやあなたと声かける
忘れたいのに未練が残る
おんな心の哀しさか
釧路港にかもめが一羽
じっとわたしを見つめてる
霧に浮かんだ幣舞橋を
あなた探して米町へ
淡く霞んだこの町並みの
どこにあなたはいるのやら
釧路港の炉端の店で
ひとり今夜は酔いたいわ
湯船に映る月明かり
掬えるかしら両手なら
叶わぬ夢だけど
諦め切れないおんなの心
知って欲しいの賀茂の宿
枕に響く潮騒が
あなたの声に聞こえます
叶わぬ夢だけど
忘れるつもりで来た筈なのに
未練なお増す賀茂の宿
沖行く船の漁火も
いつしか消えて夜も明ける
叶わぬ夢だけど
~ウウム、出ない~
忘れられずに賀茂の宿
最果ての根室の町は
誰一人知る人もなく
風だけがただ穏やかに
旅ゆくわれの頬に優しく
納沙布の岬に立ちて
遥かなる島を眺むる
風だけがただ爽やかに
旅ゆくわれの肩を震わす
島影は霧に包まれ
打ち寄せる波見えるのみ
風だけがただ吹き荒れて
旅ゆくわれの胸に響かん