まだ六十
まだ六十だと言うのに
歳を取り過ぎたように
「残り少ない人生」と言う人がいる
確かに残りは少ないが
何もないけれど
若くして逝った人に比べれば
これ以上の幸せはない
平均的な寿命であれば
まだ二十年は確実に生きられる
さ~てと
何をやろうか
***
まだ六十だと言うのに
歳を取り過ぎたように
「残り少ない人生」と言う人がいる
確かに残りは少ないが
何もないけれど
若くして逝った人に比べれば
これ以上の幸せはない
平均的な寿命であれば
まだ二十年は確実に生きられる
さ~てと
何をやろうか
あの時の傾いた道標
やはり違う方を指していたようだ
かと言って、今から引き返すには
余りにも遠くまで来てしまった
仕方ないから
このまま進んで行く事にしたよ
いいさ、遅かれ早かれ
どうせ最後は皆
同じ処に辿り着くのだから・・

「桜は河津桜が一番好きだわ」
喜ぶあなたに逢いたくて
今年もまた
峠を越えての花見行
あなたにとって
僕はいつまで
二番なのですか
あなたの一番になりたくて
今年もまた
峠を越えての花見行
足湯に浸かりし横顔看れば
頬伝う 一筋の露
朝日に映えて麗しく

振り向けばいつでも
あなたが傍そばいた
幼い頃窓越しに見ていた世界
楽しそうだったナ
行ってみたけど
それほどでもなかったょ
振り向いたらいまでも
笑顔のあなたがいるような
時めきとあこがれを探しに
ここに戻って来たのです
あの頃に戻れるのなら
なんにもいらない
あなたの前では
いつまでも大人になれない
僕だから~

人生とは終着駅のない「旅」に似ている。
ようやく終着駅に辿り着いたかと想うと、
そこからまた、新しい「旅」が始まる。
そして何度目かの新しい「旅」が、
いま、この始発駅から始まろうとしている。
鉄路は永遠と地平線の果てまでも続いている。
今はまだ終着駅の姿さえ見ることもできないが、
途中には多くの停車場がある。
そこには
心温まるオジサン、オバサン達がいて、
いつも人懐っこい笑顔で迎えてくれる。
旅を急ぐことはない。
たまには名も知らぬ停車場で途中下車をしよう。
暮れ行く夕陽を眺めながら、
のんびりと温泉にでもつかって疲れた心を癒し、
土地の地酒でも一献傾けながら、
一晩を語り明かすのも良いものだ。
夜汽車に揺られ満天の星を眺めながら、
明日には明るい朝日が昇ることを信じ、
今日もまた終着駅を目差して旅を続けて行く。
日々これ好日なり、
人生これ須らく好日なり。
随分長い間走り続けていた
最初は前に先輩
横に同輩
後ろに後輩がいて
当然のように、共に走り続けていた
ある日、ふと気付いたら
一緒に走っているのは一人だけだった
染井吉野が咲き出した今日
一緒に走ってくれる人が
一番大切だって事に気付いた
まだ遅くはないよね


遠い日の帰らぬ想影
懐かしく
探して歩む
木洩れ陽の路
白壁に映る木洩れ陽
どことなく
あなたに似たよな
想影残し
想影に吾が影法師
重ねたし
木洩れ陽ゆれて
願い叶わず

あの日二人で眺めた日の出
綺麗だった
ベンチに座れば
雲間から見える
そんな期待を胸に
そっと座ってみたが
風が吹き抜けるだけ
二人掛けのベンチ
一人では見せてくれないのかな

城山に登りて桜島を眺むる
風は飄々として頬を撫で
雲は悠々として流れる行く
見知らぬ町をひとり彷徨い
見知らぬ人と語らい
一献の地酒に酔いしれて
ひと時の安らぎを覚ゆる
夜更けと共にまた
我ひとり汽車に乗りて
当てもなく旅を行く
明日はいずこの空の下やら

道端に咲いていた
名も知らぬ赤い花
名を問えば 愚美人と
教えし人の懐かしく
年巡り花咲けど
君は来ぬ散歩道
逢いたいと想えども
通り縋りの人なれば
あぁ 叶わぬ夢

この待合室でめぐりあい
何気なく声掛けた
それだけの出逢いでも
逢うたびに愛しくて
逢えないと恋しくて
気が付けばわたしには
あなたしか見えません

知らない街を 数え切れないほど歩いた
今でもはっきりと覚えている街もあれば
レンズが雨に濡れてボヤけたように
はっきり思い出せない街もある
はっきりと覚えているのは
何度も何度も歩いた街だけとは限らない
一度だけ歩いた街だってある
一度だけ歩いたことがある街
何時の日か
もう一度歩いてみたい

もしやあなたも来るのでは
そんな夢見て極楽寺坂
越えて来ました成就院
紫陽花の花は変わらねど
遥か遠くの由比ガ浜
今日は小雨に霞んで見える
極楽寺から成就院
長谷寺までの町並みを
帰らぬ人と知りつつも
あなた あなたに逢いたくて
あなた あなたが恋しくて
ただ懐かしく歩いています
極楽寺坂から成就院
あなたと歩いたあの路は
薄紫の紫陽花が咲いていた

この町に生れ育ったあなたにとっては
どうと言うこともないでしょうが
僕にとっては一番好きな景色なのです
あなたに教わった
照国神社脇の遊歩道を登って来ました
歳でしょうか
この登りはきついものがありました
ここから眺める景色は
昔と大きな違いはありません
桜島はあの頃と同じように
薄い噴煙をたなびかせています
あなたの家もうありませんね
あの場所にはマンションが建っています
あなたと植えた
カイコウズはどうしたのでしょうか
もう二度と見ることはできませんが
懐かしい思い出と
桜島の景色は残っています


誰を待つのか
銀杏並木のベンチ
周りには沢山の人たちがいるのに
ここだけは誰もいない
腰掛けたら
誰かが横に座って
話し掛けてくれるだろうか
淡い期待を持って座ってみた
瞬間に
カサカサと落ち葉が風に舞い
私に何かを語り掛けた
何を語ってくれたのか
まだ私には理解出来ない
それだけ未熟と言うことだ
過ぎ去りて振り返り
偲ぶのもまた青春なりと
十七、八に戻りし
今日この日
ひとり浜辺に佇みて
目を瞑り
潮騒を耳にする

新年
新しい年が
足音も無く明けた
今日は昨日の
延長線上に過ぎぬのに
それでも
「何かが違う」
と言い聞かせる
世の中には「色々な人」がいるねえ~
この歳になっても
「色々な人」を見抜けないんだよねえ
その「色々な人」が歳下だったら
馬鹿だねえ、俺って

あなたが相手の人を
思い出している時
相手の人もあなたを
思い出しているんだよ~
って、誰かが言ってた
ふっと浮かんできた
懐かしい
あなたとの思い出
まさかとは思うけれど
今この時
私のこと
思い出しているかなァ
あなたと過した
一度だけの春夏秋冬
あれから何度も迎えた
一人だけの春夏秋冬
やっと逢えたのに
手を握ることさえ叶わない
今はもう赤の他人同士です
これから先何度も迎える
一人だけの春夏秋冬
だから
あなたと過した
一度だけの春夏秋冬
いつまでも大切にしていたいのです
この時間
この場所
いつもなら
あなたが
降りてくるはずなのに
幾つの電車を見送ったろう
いくら待っても
もう
あなたは いない
窓から見る世界
街行く人達の
楽しそうな笑顔
わたしは
いつも見ているだけ
いつか窓の向こう側へ
行ってみたい
そう願っている
わたしです
あなた今でも憶えてますか
あの時のあのお店
まだあるわょ
ドアベルの音も あの時と同じ
いつもわたしが先にいて待ち惚け
今度の日曜日
あの時のあの店で
も一度逢いませんか
偶然見つけた勿忘草
遠く別れるあの日
「忘れな草をあなたに」を
歌ってくれた君
ふと懐かしむ
雨上がりの公園
約束の時間に
約束の場所で
約束に向かって手を振りました
「コクリ」と頷いた素振り
少し恥ずかしかったけど
お返しに
約束の時間
約束の場所
約束に向かって立ちました
雑踏の中
ふと見上げた飾り窓
純白のウェディグドレスが眩い
約束通り
今年もまた
あなたに逢いに行きます
私のふるさとは
浜木綿香る潮騒の町
いつか住みたいと言っていた
あなたの言葉
本気になってもいいですね
綾取りの
縺れた糸は
解けしども
凛とした
薄紫の
舞扇
酒飲みて
友と語らう
楽しさよ
考えてみたら
どうでもいいことだと
やっと気付いた
夏至の前の日の
日曜日
あなたに逢いにいっても
いいですか
突然振り出した
にわか雨
雨宿りのショーウィンドウに
写った姿
忘れ掛けていた事
思い出させてくれた
休日になると
銀座へ出掛ける
別に目的もなく
ただぶらりと歩く
ライオンでの生ビール一杯も
最近では定番となった
ちょっと贅沢が出来る
ささやかな幸せ
横には勿論
君がいる
過ぎた日の思い出を
も一度確かめに秋谷海岸へ
うつむいた
可憐な姿
浜木綿の香り漂う天神島へ
友と訪ねた立秋の海
海辺に暫し横になりて
潮騒と潮の香を嗜む
東向きの小さな窓から
久し振りに涼しい風が
いつもなら日差しが強くて
カーテンを引かなければ
座っていられないこの時間
あ~もう出掛けなければならぬ時刻
いっそのこと
仮病でも使ってやすむか
そうも行かぬ・・・
気の合う仲間同士で
のんびりと海辺を歩き
白い雲と蒼い空を眺め
他愛もない会話をする
今の私にとって
月に一度か二度の楽しみ
何回参加してくれたかなんて
回数など問題ではないけれど
いつも参加してくれる常連さん
ちょっとくらい贔屓しても
悪くはないよね
あの時は
また逢えると思っていたから
軽く手を振るだけの別れでした
涼を求めて
払沢の滝へ
記憶と言うものは
いい加減なもの
それでも
歩む事に甦る
あの時の景色